考え議論する道徳の授業実践

 11月30日(月)1校時1年C組にて、「考え議論する道徳の授業」の実践を、教育力向上アドバイザーの吉新一之先生にお願いいたしました。吉新一之先生は元川崎市立川崎小学校の校長先生で、「一人も見捨てない」学校作りを実践し、そのエッセンスをまとめた「教師の秘伝」で全国的に名前の知られた先生です。

 現在は、二宮町の小中5校の授業力の向上についてアドバイスを頂くと共に、先生自ら授業実践をして、教職員に研修の機会を与えてくださっています。

 今回は「考え議論する道徳の授業」を「席替え」という題材をもとに行ってくださいました。授業の最初に「話し合い=議論」をすることの大切さや、その意味、話し合う際に考えなければならないことなどについて、お話しされました。その中で「話し合いに正解や間違いはない。人と違うことは良い事という発想を持つことが大事です。」や「決められた答えをなぞっているだけでは未来は切り拓くことができません。」などの言葉が印象に残りました。

 「席替え」の内容は、クラスでくじ引きをし席替えをしたにもかかわらず、勝手に席を替わってしまう人が多数現れ、まとまりのないクラスになってしまったという話です。この話をもとに吉新先生は「くじ引きの後、勝手に席を決め直して、仲の良い友達と並んでよいか?」という問いを出しました。生徒たちは一人一人自分の意見を真剣に書き、その意見をもとに話し合いから意見を出していきました。その時にも、人の意見を自分の意見を比較し、同じところ違うところを考え、議論を深めていくことが大切であることを教えて頂きました。

 生徒からは「勝手に席替えをするのは良くない」「少数の意見も尊重すべき」との意見が出されました。それに対して吉新先生が「大多数が良いと思っているならば良いのではないか?」と反論すると、更に生徒からは「少数の意見も取り入れながら決め直すべき」との意見が出されました。これは民主主義の基本を示した考え方として、素晴らしいものだと思いました。

 今回は、少し時間が押してしまいましたが、今後はこのような授業を全ての教職員が実践して、生徒一人一人の思考力や表現力を伸ばす取り組みを広げていきたいと考えます。